2015年10月31日土曜日

[No.8]裸の銃を持つ男(原題:The Naked Gun: From the Files of Police Squad! 公開:1988年)

邦題:裸の銃を持つ男
原題:The Naked Gun: From the Files of Police Squad!
監督:David Zucker
主演:Leslie Nielsen
公開:(米国)1988年
     (日本)?年










(著:hanea)
Blog「キネマ週報」は、自分とdziが交代で毎週のお題作品を決める当番制。
実はお題作品の選定作業が意外と楽しい。お題の決め方はdziと二人で色々と模索途中ではだけれども、今回は「前回と同系列の作品を見てみよう」という方向性を試すべく本作をピックアップ。
今までは、とにかく色んなのを見ようという意識。今回は短期間で同じ系統の映画を見て見ようという意識。

本題。
本作は敏腕のようなそうでないような2.879枚目ぐらいのナイスミドル刑事が活躍するお馬鹿系コメディ。
ナイスミドル刑事が麻薬取引捜査で大怪我を追った仲間の仇を打つべく黒幕を追う中で、黒幕が女王暗殺まで目論んでいる事を嗅ぎつけ、女王暗殺阻止のため奮闘するというストーリー。とはいうものの、前回お題「トップガン」よろしく物語の進行は笑いを誘う舞台設定以上の意味を持たず、とにかく眼前に広がるズッコケ展開に素直に笑っていればよろしいステキ作品。

下ネタ汚下劣を極力控えて纏めた「トップガン」と比較して、本作はより笑いの本能に忠実に下ネタ汚下劣を全面に押し出す低俗な開き直りぶりが印象的。”nice beaver!”を「良い毛並み!」と訳す訳者の特段の配慮が実に趣深い(注:飽く迄ビーバーの剥製の話題です)。他にも彫像とはいえ男性器をモロに出してみたり、痰をビービー吐きまくる大リーガーの揶揄描写があったりするので、例え笑えるからといって家族で一緒にとか皆で何かものを食べながら団欒とか、そういう用途には残念ながら不向きな感じ。そういう笑いを好まない人には決定的に不向き。自分は時には一人こんなくっだらねえ事で馬鹿笑いして過ごすのもアリだと思う。

前回お題「トップガン」と本作を並べると、主要人物から背景人物に至るまでが一斉同時にボケ倒す「トップガン」とレスリー・ニールセンががっつり笑わせにくる本作は、同じようで居て、似て非なる事に気づく。どちらがより面白いかという話ではなくて、どちらもドカドカ笑わせてくれるけれど雰囲気は結構違うもんだなあと。個人的な感想だけれども、「トップガン」は初めから終わりまで同じ笑いの雰囲気を貫き通しつた印象で、本作は序盤でガッツリ万人が許容する笑いで心を引っ掴んでから中盤の中だるみを下ネタと汚下劣で訴える方向にした印象。自分は本作の序盤で良く笑ってしまったために中盤以降、笑いどころの方向性が微妙に変わってしまったのが若干悔しく思った。序盤の感じで突っ走ってくれたらなあ。とはいえ、中盤以降は女王やら大リーグやらオペラ歌手やら「偉いヒト・モノ」をブラックに切り倒していく笑いも増えて、不謹慎ながら爆笑してしまった。
自分は特に序盤が好きかな。もうなんか笑いの王道って感じがして、わかってるのに笑っちゃう的なものがある。1度見てあるからこのシーンのオチ知ってるとか思っていても結局笑う。どうやら字幕版ではなく、吹き替え版は吹き替え版で吹替演者がアドリブ満載で楽しいらしいので今回は吹替え版で見たら良かったとちょっと後悔。

野暮ったい上にネタバレになってしまうけれども物語の展開についても触れておくと、最後は女王暗殺に失敗し追い詰められた黒幕がヒロインを人質にとって最後のあがきをするも主人公の活躍で悪は滅びたというお約束展開。まあ冒頭で触れたとおり、笑えれば展開なんでどうでもいいのだけれど、でもあえて触れさせてもらうならば、実は女王暗殺失敗の時点では暗殺未遂事件という「点」と黒幕という「点」が線で繋がっていないと思う。主人公視点からは確かに繋がっているように見えるけれども、決定的物的証拠は何も押さえておらず、正直黒幕しらばっくれまくれば逃げきれるんじゃない?的な疑問が最後まで残ってしまう(自分が証拠を押さえる場面を笑いすぎて見逃してるだけかもしれないけど)。
事件を自分と線で結ばせないために「催眠兵器」で赤の他人を使って足跡を残さないスマートな暗殺をやってるのを初めから意識してる黒幕なのに、暗殺失敗した瞬間、突然意味不明にいきなり人質なんか取って公衆の面前で目立つ自爆をする。なんかこのあたり話が致命的に破綻してないかなあなんてね。
しかも暗殺を阻止した決定打は警察が極秘開発したカフスの形した極小秘密兵器なので、使用しても一般人には何やってるかよくわからないはずなのに、使った瞬間野球場全体が事態を把握するのもなんか不自然。
本当に、目の前で繰り広げられる笑いの前にそんな小事は心の底からどうでもいいのだけれど、ほんのすこし気になってしまうま。すごい美味しい焼き魚食ったんだけど、最後の方で喉に小骨ささっちゃったような、そんな感じ。


終わり。

(著:Dzi)
のっけの数分から既に先週感じたあの「バカ」を感じ、同一ジャンルを持ってくるぞと宣言していたhaneaにしてやられた感。否が応でも、笑いを期待してしまうこの雰囲気。
同じ「バカ」映画なんだけど、前回の「"トップガン"」とはちょっとテイストが違うんだね。でも、アメリカン「バカ」という括りではどちらも一緒(笑
笑わせ方自体がやはりアメリカンというか、かなり近いものがあるんだよね。

本作では笑わせる主体が主人公が担っているという点や、下ネタの多少に違いがあり、そこは「"トップガン"」と「似て非なるもの」なのかな。なにせ、本作は結構かなり下衆である。だが、33歳の私には心地よい下衆さかな。
haneaも述べているが確かに、ファミリーで見ると戦慄する場面はあるので、自分の子供には「Hot shots!」は見せても本作はある程度の歳までは見せたくないなという印象。
まぁ、こういう毒を幼少期に植えつけておくことも一つの教育なのかもしれないけど。

しかし、先週に続いてずっと突っ込み続けなければいけないのかと思うと、ぞくぞくするね!

----
最初のコカイン取引のシーン。銃で死んだと思うじゃん普通。そのあとのピタゴラスイッチ的死にっぷりがベタベタすぎて、お決まりすぎて最高だ。
その撃たれたノードバーグは、ピタゴラ死したと思われたが、幸いにも助かっt…。
ドレビンが余計なことをしなければもっと早くな!

やっちゃいけないことを全てやる。言っちゃいけないことを全ていう。
してはいけない勘違いも全てする。しかし、立ち振る舞いは紳士的だ。
このギャップがたまらなく我々の心を鷲づかむ。

何だろう、ナイスミドルが、考えうる全ての「バカ」をするだけの映画なのだが、
愛せてしまうんだよね、この作品。

そして、所々に散りばめられる社会風刺的な描写が、わずかながら知性を醸しているのが、単なるバカ映画でないということで好感が持てる部分なのかもしれない。

アメリカ映画特有の、スタンダードな悪人像というものがある。目的を果たすためには、手段を選ばない。そして資産家であり、ひけらかす。また、必ず美女を狙っていたり囲っていたりする。この映画もご多分に漏れずである。これも社会風刺の一つなのかね。
社会風刺といえば、警察の武器研究所みたいなところの壁に、放射能マークが貼ってあるのもひとつのそれなのかな。

下ネタ的なところで好きなシーンは、「安全性交」のシーン。
コンドームで全身を覆うという発想はなかったわ。やられた。

ストーリーはいろいろ突っ込みどころがあるが、この映画にストーリーの整合性や完成度を求めることはきっと野暮何だろう。
サスペンスあり、アクションあり、ラブロマンスあり、そしてコメディーありの最高のエンターテインメント作品のひとつであることは間違いない(?

いずれにせよ、休日の夜に頭を空っぽにして見るには最高すぎる映画である。

以上。


************** 次回 201511月第1週 お題作品 ***************************

   作品タイトル: 「ドラえもん のび太の日本誕生」(1989年)
   原作:藤子・F・不二雄  
   主演(声優):大山のぶ代
 
 10月下旬のアホアホ月間を終え、何を持ってこようかと悩みに悩んだ結果、
 私の思い入れの強いアニメ作品を持ってきてみた。
 これは、私が幼少期に父に数度、川崎のチネチッタに連れて行ってもらった思い出深き作品なのです。
 私情もさることながら、ストーリや音楽の良さが故に、数ある劇場版ドラえもんの中でも、
 トップクラスの作品かと思う。

2015年10月25日日曜日

[No.7]ホット・ショット (原題:Hot Shots! 日本公開:1991年)


邦題:ホット・ショット
原題:Hot Shots!
監督:Jim Abrahams
主演:Charlie Sheen
公開:(米国)1991年
     (日本)1991年







(著:Dzi)
パロディ×バカ=ホット・ショット
パロディ映画の王様だと個人的に思う。

本作は、常にパロディやコメディを下衆にならないギリギリのラインで攻めるバカ映画である。
シナリオ的には、「USA! 一匹狼のエースパイロットがやっぱり凄い!フセインを倒せ!おまけに美しいラブロマンスもあるよ! USA!」という感じです…。


トッパーことチャーリーシーンはそのバカな空気感の中で、大真面目。

他のメインキャスト達もストーリー上は大真面目。でもやってることは全てバカ。
うん、バカ。何度でも言おう。バカである。

久しぶりに頭空っぽにして見れる映画をという趣旨で、本作を。
パロディ元がわかる人にとってはより面白い作品だと思う。

---- 何度か見てるし、ストーリーもへったくれもないので、
今回は趣向を変えて、見ながら「バカ」を指摘していくスタイルで(笑

■空母のシーン

 ・ジャケットからしてもトップガンのパロディ
 ・無駄にかっこいい始まり方
 ・ギターサウンドたまらん
 ・ミサイルを手で運ばないで
 ・旅行用トランクを運ばないで
 ・エンジンでウインナー焼かないで
 ・戦闘機はバック駐車しません
 ・誘導員、踊っちゃだめ
 ・煙たそうにしているのはジェットエンジンからの煙じゃなくて、やかんの湯気って
■訓練シーン
 ・戦闘機の中でトランプしないで
 ・「むちゃしやがって」
 ・クラクション?
 ・MAIL MANなんだね
 ・そのEJECTボタンはビデオのボタンだ
 ・なぜ助かるその墜落
 ・EJECTできてよかったね!
 ・鹿狩り解禁のタイミングでその姿

■ここから現在

 ・テントにチャイム(笑
 ・イケメンチャーリーがうさぎさんのスリッパ
 ・犬踏む(1度目
 ・水タバコっぽいけど、ヘリウムガス
  →シリアスな話でなぜ声をかえた(笑
 ・長老みたいなの、ヘッドフォンで音楽聴くな
 ・バイクテクすげぇ
 ・綺麗で清楚な女性、段違い平行棒するな
 ・「わお」じゃねぇって
■軍施設
 ・通行料とるの?(笑
 ・提督降りるとき、ハシゴつけてあげて!
 ・作戦名がいかれてる
 ・ファミコンウォーズがでーるぞー 的な
 ・あだ名がだせぇ
 ・魚眼矯正薬????
 ・やっぱりあだ名がひどい
 ・トッパー言うこといちいちかっこいい
 ・でたー鬼軍曹
 ・反りすぎわろた
 ・お色気シーンきたー
 ・あ、あの人鹿狩りでやられたんだ
 ・しかも剥製にされてるし
 ・てか、人間関係が複雑だなおい
 ・大切な写真投げるなってば
 ・握手やべぇ 、煙出てる
 ・屈折しているのは君の視界
 ・提督負の武勇伝出し過ぎ
 ・訓練中にフォークダンスとラインダンスするな
 ・セクシーな医師きたー 平行棒の人だw
 ・犬踏む(2度目
 ・分割長すぎです
 ・ドキドキが見た目に表れすぎだ
 ・病名「父親コンプレックス」て
 ・「気をつけて」の意味
 ・「休め」の意味
 ・提督のズボン(笑
 ・提督撃墜されすぎ
 ・戦闘機にドアミラーとカーステはいりません
 ・ラジオ用のアンテナもね
 ・そこを飛ぶの????テクありすぎ
 ・フィリックスのぬいぐるみがいたね
 ・余裕の看板壊し
 ・着陸体制で点眼しない!しかもどこに着陸してんだ
 ・あら、いい雰囲気
 ・セリフかっこいい
 ・初めてのまともなシリアスシーン
■ボクシング会場にて
 ・ボクサー、ヨハネパウロはまずい!!
 ・あら、きな臭い話
 ・当たってないのにK.O.!!!
■ラウンジにて
 ・ビリヤードの腕すげぇ
 ・キューを投げないの(笑 誰かに刺さってるし
 ・ブルージーなピアノいいねー。
 ・ラマダ!ピアノの上でうたわない!角度もおかしい!
 ・おちたー!
 ・むっちゃ遠いところからきてる人いたー
 ・トッパーピアノすげぇー
 ・ラマダ、周りをみて!
 ・ラマダ、ピアニストトッパーの手を踏まないで!
 ・歌で告白は素敵
 ・子供の喧嘩かw
 ・同時多発喧嘩勃発
 ・からの、同時仲直り勃発
 ・「おごり」の一言に、どこからその人数湧いてきたんだ(笑
 ・しかも天井から降りてきたぞ?(笑
 ・ラマダの家近すぎ。
■ラマダのお家にて
 ・さらっといやらしいことをいうね
 ・お、この果物のセクシーシーンはどこかで見たことが
 ・ピザを封筒みたいにしないの
 ・おへそにオリーブいれて、ポンッ
 ・氷のシーンみたことあるぞ。ただ効果音!
 ・お腹の温度が尋常じゃない
 ・お腹で卵焼かれようとしているのに「イエス、イエス」じゃないっつーの(笑
 ・卵ジュー ベーコンジュー で、エクスタシー?(笑
■明朝の訓練シーン
 ・ラッパの人かわいそう
 ・やっぱりあだ名「ピンボケ」はひどい
 ・なぜ魚眼矯正で肛門からメス・・・
 ・痔になると困るって、もしかしてそういう含み?
 ・新聞配達は投げても良いが、牛乳は…
 ・綺麗に布団にうまってるけど、どう「よかった」んだ
 ・「原発事故で工場が閉鎖に 」からの!「(会えて)よかった」っておい(笑
 ★フラグの嵐
  ・黒猫横切る(フラグ1
  ・マイホームの手続き(フラグ2
  ・「俺はツイてる男だ」(フラグ3
  ・「生命保険の契約書にサインして」(フラグ4
  ・鏡割る(フラグ5
  ・ペンの出が悪い(フラグ6
  ・「家に戻ってから」(フラグ7 
  ・「地球温暖化を阻止する方法を思いついた、家に戻ってからゆっくり話すよ」(フラグ8
  ・「ケネディー暗殺の真相も解明した(ポケットに証拠を持って出る)」(フラグ9
  ・「私たち幸せを絵に描いたような夫婦ね」(フラグ10!

 ・提督ビビりすぎ(また武勇伝
 ・耳栓食べないの(笑
 ・マイクがつん!(また武勇伝
 ・なんか、計器にゲームウォッチのキャラみたいなの出てきたぞ
 ・鳥さんはえええ
 ・ぴんぼけ、そこでEJECTするな頭刺さるわ(笑
 ・ピンボケかわいそすw

 ★伏線回収
  ・「(旦那の墜落シーンを)見るな」→後ろ向かせる→鏡ばりの車→思いっきり見える→無念

 ・ピンボケは一応助かったんだな
 ・お、旦那もたすかっ 救急車にふっとばされた…
 ・頭思いっきりぶつけたぞ、しかも2回(笑
 ・更に追い討ちドアで頭打ちつけ2回
 ・運転荒すぎw天井にあたってるしw
 ・危険そうなものが落ちてきて当たってるしw
 ・ピンボケもかわいそうに・・・
 ・ピンボケ、それでも生きてる…。
 ・自動ドアに首やられてるぞw
 ・医師(時計を確認からの)「昼飯の時間だ」
 ・なぜアレの大きさを聞いたw
 ・モルヒネは医師に打つのね!
 ・ヤブ医者って自分でいうかw
 ・そしてやっぱり死んだね…。
■葬儀
 ・トッパーが10年貯めた2500ドルを未亡人へ
  →「宝くじ300万ドルあたったよーん」
  →受け取るんかい!帽子買うんかい!!!
 ・犬踏む(3度目
 ・「死神」て
 ・葬儀に売り子がいるの?
 ・お、きな臭い話。
 ・だから提督、ビビりすぎだぞw
 ・提督、不用意に打つなってw
■ラマダの家
 ・ラマダ、なにやってんだ?
■浜辺にて
 ・石切うますぎ、カヌーの人かわいそすぎ
 ・確かに、目がそっくりなのわかるよね、それ
 ・お、ラブロマンス的な!
 ・めっちゃ見られてるぞ
■提督の部屋
 ・何の話だ?
 ・部下かわいそうに、なんか吹きつけられたぞ
 ・動かないのは絵だからね!w
 ・そりゃこたえないわw
 ・え、葉巻じゃなくてにんじんスティック?
 ・なぜ靴のサイズ聞いた・・・
 ・ぼけ始めた?
■ラマダの家
 ・その鍋何?ダチョウ倶楽部的なのりキター
 ・結局鍋持ってったー
 ・「伸びたパンツのゴムのようにメロメロ」…かっこいい言い回しなのか?
 ・歌上手いなんてもんじゃない!本物のようだ!(本物だ
■回想シーン
 ・回想シーンだけ見ると素敵…じゃないわw
 ・これ、ロッキー?
 ・これはロミジュリ?
 ・めっちゃ階段から落ちたぞ
 ・スーパーマン、飛行速度遅いぞ?
 ・はとめっちゃつええw
 ・え、今の想いを共有できたのか?
■空母にて
 ・ベンソン提督が二人…
 ・だから、コードネームがw
 ・あれじゃとまらんでしょw
 ・パーキングメーター式なんだねw
 ・日用品をかいに行くなよ、戦闘機でw
 ・また提督の武勇伝
 ・提督こけすぎだよね。しかも言い訳・・
 ・また嘘武勇伝w
 ・なんか、悪巧みしてるー!
■空母作戦室
 ・喧嘩で、ちゃんとマウスピースするんだねw
 ・敵のトーストw
 ・アコーディオン工場とものまね教室はねらわないであげてw
 ・なんか、ちゃんとした映画っぽいシーンだな。
 ・たとえが野蛮だなw
■空母にて
 ・あー、無駄にかっこいいシーン
 ・鍵の管理w
 犬踏む(3度目 →チワワなのねw
 ・だから、コードネーm
 ・さすがにコードネーム「インキンタムシ」は酷すぎるw
 ・出撃シーンとか無駄に演出いいんだよね
 ・てか、犬が追いつく速度では離陸できないっしょ!
 ・闘牛の「オレッ」いる?戦闘機飛ばす時に?
 ・アフターバーナーで燃えたw
 ・帽子そんなに大事かw
 ・バーガーどこで買ってくるんだよw
 ・心臓の鼓動w
 ・なぜ、今増税の話w
 ・敵もなんか不審だぞwなんか、紳士が乗ってるしw
 ・提督の足は回転するんだね
■昔の回想
 ・タッカーで修理かいw
 ・股間が!声がw
 ・てか、戦闘機の上を歩くなって
 ・誰だよガムそこにすてたのw
 ・ 気にするの靴下かよ
■戦闘シーン
 ・トッパーの操縦すげぇ
 ・ブレーキwwww急停車wwwww
 ・戦闘機がUターンできるかい!
 ・ミサイルの動き!
 ・核兵器工場までの標識てw
 ・フセイン檄似。ミサイル直撃といっていいのかなあれは。
■帰還シーン
 ・着艦するのにどう見ても邪魔w
 ・おい、ピンボケ。レンズの中に魚を飼うなw 
 ・トッパー上から垂直に降ってきたぞw
 ・それで無事なんかいw
■まとめシーン
 ・鍋。そんなに重要?w
 ・ディズニーいくんですね
 ・輸血量がやばい。萎んでってるぞw
 ・血噴出しすぎw
 ・ネットの使い方上手いな
 ・提督何気にかっこいい!
 ・流れるようにはの治療!
 ・目はえぐい。
 ・そしてなぜ投げ捨てた!
■生還パーティー
 ・ヒゲは綿菓子ではありません。
 ・ケント、すっげぇ未練がましい 泣いてない、振り向いてないw
 ・ラマダ、一人落としたぞ?
 ・戦闘機、キーレスエントリーなんだw
 ・馬、なぜそこへw
■そして現在へ
 ・長老、ウォークマンつかうなって
 ・あら、ラマダ素敵
 ・鉄板腹の女!
 ・あの肉焼くんだね!
 犬踏む(4度目、2回鳴く 
 
いいラストシーンだね!

 …とおもったけど、スタッフロールの後ろのお前誰だ!

 ・クッキーのレシピをスタッフロールにのっけたのは多分この映画だけ
 ・なんか、スタッフの目標みたいなのもかいてあるし・・・
 ・あ、甘パンの作り方も教えてくれるのね ありがと

・・・ふう、八十数分突っ込みっぱなしは疲れるよハニー…。
今回は、ひどいレビューですみません。
これ、2があるんだぜ。。。

以上。





(著:hanea)
小難しいことはどうでもいい!!面白ければイインダヨー!!
Blog「キネマ週報」を開始してまだまだ時間が経っていないけれど、Blog書くことを意識して最近は映画を難しく考えすぎる傾向があったかも(難しく考えがちな作品を選んでしまっていたというのも確かにあるけど)。折角なのだから映画は楽しんで見ねばねって事を再度意識しようと本作をみて思い直した(笑


本題。
ホット・ショットは、1991年公開のコメディ映画。「トップガン」をはじめとして種々の名作映画のパロティを多分に含み、映画好きにもオススメできる作品(とのこと)。トップガンを見たことなければ、見たことの有る映画が絶望的に少ない自分が楽しめるかと心配だったけれども、見終わってみればネタ元を知らなくても十二分に楽しめるコメディだったと思う。

物語は、エースパイロットでありがなら米軍を追い出された主人公が敵核兵器工場攻撃のミッションのために再び米軍に戻り奮闘する様を描くヒーローものっぽいお話。しかし主人公がエースパイロットに復帰したのは作戦を失敗させようと画策する上司の陰謀でというありがちな展開もそこそこに、本作はとにかく1場面1場面、シーンが進む毎に登場人物から背景人物・小道具・セットに至るまでが全員真顔でじゃんじゃんボケ倒すので、もう完全に物語とその行く末などどうでもいい。とにかく目の前の笑いに素直に笑って楽しい時間を過ごすのが良い。

特にお笑い作品に詳しいわけではないけれど、そういえば誰かが面白おかしい行動をしてズデーンとズッコケて、ワッハハーと笑うタイプのコント劇やコメディ作品て最近は絶滅危惧種じゃないのかなあ。あんまりパッと頭に浮かんでこない。特に日本は何回かの漫才ブームを経て「お笑いといえばボケとツッコミ」という無意識の意識ががっつり根付いており、僕もその根の中で暮らしてきたので、本作のような古典的?な笑わせ方が1周回って逆に新鮮に映った気がする。

「ツッコミ役」というポジションが作品中に居るのは視聴者的にも物語進行的にも実に便利だという話をどっかで聞いた事がある。ツッコミ役がツッコんだところが笑いどころと視聴者にもわかりやすいから皆同じ場所で一緒に楽しく笑えるし、ツッコミがある種の「なんで面白いのか解説」になるので笑い易いのだとか。しかも一度笑いのためにしっちゃかめっちゃかになった物語を一旦落ち着かせて、ツッコミ役の先導で物語を主軸に戻し易いのだそう。ほーん、なるほどなあと思った記憶。
しかし本作、外国作品だけあってそんなボケとツッコミの文化なぞ欠片も意識しておらず、ツッコミ0。まあもう笑わせるだけ笑わせたら収集つけずにシーン切り替えてゴリ押しで物語を進める。何もかもが投げっぱなしで、しっちゃかめっちゃかになったの全然キニシナイ方向性。どっちらけになった次の瞬間にカメラ切り替わったら、また主人公が大真面目な顔して喋り、背景人物AとかBとかが素知らぬ顔で普通に通り過ぎるから、ついさっきの大騒ぎの余韻も相まってそれもまたじわじわと笑えてきてしまう。全員が一斉同時に面白い事するから、何か数の圧で押し切られて笑ってしまう。思い出すだけでいつでも大爆笑、ずっと笑っていられるーと持続する抱腹絶倒の作品というわけではないけれど、物語に合わせてトントンと小気味よく吹き出してしまう場面が並んでいる。


この映画のステキなところはもう一つ。過剰な汚下劣成分は少なめというところ。この種の作品といえば、ウンコションベンチ◯コマ◯コの精神で「オゲレツだからおもしろい」という単純な笑いへの誘いがつきものだと思う。しかもそれは過激なら過激なほど面白いので苛烈になりがちなのだけれど、本作品は意外な程控えめ。正直本当に意外だった。この手の笑いは無ければ無いで毒が無いだとか綺麗過ぎるとか言われるけれど、そんな描写が殆ど無いにも関わらず、綺麗すぎるとも思わない。そういうものとは違うアホに終始徹している感じ。割りとそういう部分の心配をせずにどの年齢でも見られそうな感じ。

この手の映画はあれだね、友達と遊ぼうと集まってみたけど、そういえば特にやることもねえなあなんてときには持って来いの映画だなと思った。お菓子とか食べながらワイワイと笑いたい。


終わり。




************** 次回 201510月第5週 お題作品 ***************************

   作品タイトル: 「裸の銃を持つ男」(1989年)
   監督:デビット・ザッカー  
   主演:レスリー・ニールセン

 次のお題は、動物カワイイ系にしようと思ったのだけれど、
 なんとなく思い直して、同系列を並べるという方向にしようかなと。
 dziから次回お題がトップガンだと聞いて、どんな映画かサクッと聞いた
 ときに、「あー裸の銃を持つ男みたいなやつか」と思ったんだ。

 というわけで、次回もコメディ。201510月下旬はアホアホ週間だ。

2015年10月16日金曜日

[No.6]ヒポクラテスたち(原題:同 公開:1980年)


邦題:ヒポクラテスたち

原題:(同)
監督:大森一樹
公開:(日本)1980年







(著:hanea)
なんか思ってた青春物と違った!思ってた青春物と違った!うわあああああぁぁぁ
でも先生ありがとうございました。

今回チョイスのお題は自分が高校3年の頃(10年以上前)に現代文の先生が授業時間中に見せてくれた映画。「俺は君らよりほんの少し長く生きているわけだけれど、授業的な事じゃなくて、一応の人生の先輩として、少し先に大学時代を過ごした先輩として、ほんの少しでも、何かもっと別のね、進学していくこれからの君たちに向かって何かを伝えられたらと思ってね。俺はまさにこの映画の時代に大学時代を過ごしたんだけど、今の君らから見れば、古臭い大学生像に映るかもしれないし、今の感覚にそぐわないかもしれない。でもね、俺らの大学時代って確かにこんな風だった。俺はもう何回もこの映画を見返してる。映画の内容を全部肯定するわけではないけれども、俺はね、成人するまでにか、あるいは成人した後でもいいから、いつか何かをこういうことをね、真剣に考える、仲間と真剣にぶつけ合える時期というのはあって欲しいと思うのね。今はね、大学生っていうと、やっぱ遊びって感じがすると思うし、君らの想像している大学生活もたぶんそういうのだと思うけども、俺はね、自分が過ごしたからかもしれないけど、大学時代の経験っていうのは他にもこういう事もあるって言うことをね、言葉では中々伝えられない部分なんだけど、伝えとこうかと思ってる。」と先生の談(うろ覚え再現)。

まあとはいうものの。わずか現代文1コマ分の時間内で映画1本を見られるはずもなく、最初は先生が口頭で登場人物やら物語の概要やらをネタバレしない程度にざっくり説明したあとに、なんとなーく中盤~後半ぐらいを教室の小さいテレビに映して皆で見るという超絶未消化感の漂う視聴だった。しかも先生の口頭あらすじ説明が長くて最後まで見られ無かったという(笑)。
自分はテレビから随分離れた席だったので音は聞きづらいわ、画面は小さいわで正直何が何やらわからんうちに終わってしまったけれども、なんとなく断片的に入ってくる情報で、いつかこれは通して見て見ようと心に決めたのだけ覚えており、15年弱?たった今ようやくそれを実現したという次第。

前置き長くなった。閑話休題。
本作は、卒業間近のポリクリ医学生を描いた青春群像劇。時代は1970年台後半、学生運動の終焉期?ぐらい。登場人物の服装・出てくる建物・乗り物・町並みの全てがその当時。舞台は京都で、他所のレビュー等を見るに、三条ナントカ線とやらが地上を走っているというだけで郷愁の念に包まれる人も多数。
物語はただの普通の医学生の大学生活で、主人公が「はあ」とか「まあ」とか言いながら、主体性無くただの普通に流されて暮らして行く様を綴る(恋人の妊娠も、まあありがちな大学生活の範囲内だろうと思う)。個性的な同級生や寮の先輩の輪の中で暮らし、何かぽっかり空白の感じのする人物像の主人公。でも映画が進むに連れて心情の内面から焼き切れていく。慌ただしい喧騒の中で進む大学生活だったのに、終わりには主人公が心の底で真っ暗になって霧散していく。正直、「青春の葛藤」では片付けきれない重々しい主題の物語。医学という特性上、人体損傷やら手術シーンやらグロ描写多数有り。
監督は当時自主制作映画界からやってきたばかりの方だそうで、映像演出もなにかこう、素人の目玉にも「当時の自主制作映画ー!」というのがわかるぐらいこれ見よがしの自主制作映画っぽさを醸しだしており、それを新鮮味を以って見られるか、拙いわざとらしい表現と思ってしまうかで評価が分かれる感じ。自分は当時を知らない世代(生まれてすら無い)ので、圧倒的に前者で見られたから最後まで興味を持って見る事が出来た。

青春物って、なんか部活すごい頑張って若さ故の熱血で優勝しました物語とか、親しいお友達グループの一人に恋をしちゃってグループ内でケンカとかもしちゃったけど、若さに任せて突っ走り、素敵な恋が実りました(キャーステキ-)物語みたいなのを無条件で想像してた。本作も「青春物語」だっていうから、そういうもんだと思ってた。本作を見せてくれた先生も、きっと「若いパワーで一生懸命考えろ!行動しろ!」みたいな気持ちで見せたんだと思ってた。
違ってた。全然違ってた。重かった。すごい重かった。「ぼくがかんがえたすてきなせいしゅん」と全然違う。想像と全然違う。駄目だよコレ、青春ゆえの過ちとかじゃ全然折り畳めないよ。見終わった後のもう事態は永遠に好転しない感で気持ちがドンドコ沈む沈む。しかも、群像の中にいた同級生の中にはきっちり医学生の後に医学の道のレールに乗っかっていったのも居て、そこに妙なリアリティが出てくるが故に、主人公とレールに乗れなかった登場人物たちのもう永遠に満ち足りた未来には辿り着かない悲劇的結末が現実味を持って感じられる。青春=爽やかとか思って本作を見始めた自分を真っ黒に塗りつぶしたい。

自分の中で持っているちょっと昔の若者の印象は、とにかく「小難しい事を言う」の一言に尽きる。本作で描かれる若者たちも実にその通りで、今の感覚で言ったら喋り言葉すら演説染みているように思えるし、変に生真面目で身の丈に合わない偉そうな話をしていて小馬鹿にして笑ってやろうかと思うレベル。それが、一人や二人でなく、出てくる登場人物全員がそうなのだから、この時代はこれが大学生の一般像だったんだろう。面白い時代だと思う。
なんか無気力な感じの主人公ですら、徳洲会の営業に向かって「僕も日本の医学はこのままじゃあかんと思っとります!」的な事を言ったり、キャンディーズの蘭ちゃんは研修で立ち会った手術を目の当たりにして、自分が医者として責任を持ってやっていけるのかという重圧に潰されていく。寮の面々も「我々はいかにすべきか」ということを真剣真摯に考えており、それを互いにぶつけ合っている。まだ医者じゃないというのに自分がもう医者であるが如く真剣に考えているし、考えた事を表に出している。いずれの場合もテーマはでかいし重い。正直、小難しく考えすぎているような気さえする。
でも、その割には医者の卵の癖に恋人妊娠させて苦悩するのだから間が抜けている。ここで我々が話あったところで結論は出ないとか言って議論を有耶無耶にするのだから間が抜けている。医者の道という本筋があるのに学生運動に傾倒して警察にパクられるのだから間が抜けている。真面目に考えて偉そうに演説垂れた結果がそれか?という、言う割に大したこと無い感。しかも言う割にやってる事違くない?というかやるにしてもやってること軽はずみすぎない?感。

ただ、考えてみれば大学生に限らず、成人して・社会人になって思うのは、大人って言う割に、自分は、自分の出来ることは、あんまり大したこと無いと言う事。自分は、出来もしないのに偉そうな事は言えないと、考えても口に出さないタイプだけれど、当時の学生は口には出してたとこは大きな違いかな。そして今も昔も、口に出そうが出すまいが、出来ることは思ったよりも大したことないのは共通してて、そこは変わらないんだななんて考えた。しかも考えている割に、やることは全然言ってることと違うんだよなあ。(自分含めて。)
そういえば、「そうであるべき像」と「実際の像」の乖離の顕在化は成人に近づくか成人になった直後ぐらいに襲ってくるもんで、起こした行動によって取り返しのつかない方向に行ってしまうのも成人に近づくか成人になった直後ぐらいからだなあと映画を見て思った。

15年弱。長きにわたってサボり続けてきた、自分の人生で最後と思われる現代文の授業が終了。先生が何を伝えようとしたのか、今となってはわからないし、実際今先生に会って聞いてもわからないと思うけれども(本人も言葉で伝えられないから的な事を言ってたし)、確かに自分が本作を知らないまま考えていた青春と、見終わってから思う青春は大分違うものになった。自分だって既に青春時代を通過した後のはずだけれど、その青春とも大分違うものを感じた。
青春と聞いて想像した青春と、自分が経験した青春と、映画の中の青春は全部違うものだった。青春は考えていたものよりずっと多義的で、人によっても時代によっても違うんだろう。でも全部青春。

いずれ過ぎ去るものだからと刹那的に謳歌できるものではなかったと思うよ青春時代ってのは。それは、実際に経験してみても思うし、映画を見た後でもそう思う。
めくるめく将来へ向かう華やかな道程のように感じられる、本当はほぼ足踏みの過程。でも一歩間違えたら奈落。
それは青春と聞いて想像した道程と、実際に経験した過程、でも映画で見た奈落。という感じ。



終わり。



(著:Dzi)
haneaと対照的に、青春映画としての側面では見ていなかったので、
随分と捉え方が違うと思う。それを踏まえて。

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始まり方がセンセーショナル。

いきなりヒポクラテスの説明。まぁ、この映画のテーマだし知識の無い人には嬉しいものだ。
そして、バイク事故の軽いグロから始まると…。

さて、仰天の最初の大きなテーマが避妊法(笑)

「コンドーム つけてやらねば メンドーウム(面倒生む)
五七五にしたためるあたり、時代を感じる。そして、学生らしいリアルな感情がいいね。

主役の名前が「荻野(式で)愛(を)作(る)」ってのが、なかなかウィットに富んでいて良い。
この手のテーマが扱われていることから、人工妊娠中絶の数や、出生数に対する割合をしらべてみたのだが、特段増えている年代でもなく、むしろ減少傾向なんだよね。ただし、戦後数字35年が過ぎ、倫理観の変化が表れたのがこのあたりの年代なのかね?といろいろ勘ぐってみたり。実際どうなんでしょう。
ただ、大病院ではやるような事ではないという、ある意味良くないこととしっかり定着してきている時代だったのかと、あくまで推測。

後、今でこそ妊娠検査薬が簡単に手に入る世の中だが、35年も前ともなると、医療関係者ですら、検査キットのようなものを手に入れる事が難しかったんだなぁ。

しかし、医大生の彼女に結果として人工妊娠中絶をさせてしまうこと。
なんというか、荻野の言った「医者の不養生」っていう言葉がまさに。


二つ目の大きなテーマとして、精神病を持ってきているが、この辺りから所謂「キチガイ」を病気として社会認識してきた頃なのかね?

今でこそ「心の風邪」として、ライトに捉えられてきているメンタルヘルスだけども、逆に言うと、今の世の中に所謂昔の「キチガイ」が蔓延しているという闇があるのかもね。事実私も一時期「風邪を引いていた」んだが。
もちろん、軽度なので傍目には何も分からなかったろうけど。
そういう意味で、(おそらく)精神科は当時としては医者のカーストの中では高いものではなかっただろうと推測されるんだが、それでもそこに着目し興味を持った荻野は先見の明ありなのかなぁ。(しかし後に荻野は…。)


さて、手法として自分が地味に嬉しかったのは、登場人物の名前と年齢、何回生かを表示してくれる点。医大生という閉じたコミュニティの中で、年齢や立場が物言いや行動にどう影響を与えるのか、そういう観点で見ても面白い。
監督大森一樹自身の経験も重ねているのかな。

「うさぎやモルモットの命が人の命の為にあるなんて誰が決めたんですか」この言葉、重い。でも人間の命がその犠牲によって救われてきた歴史も確かなものだしね…。

この「ヒポクラテス」たちは、同じ医者を目指す人たちであるが、多種多様な思想を心に抱えながらもがき苦しんでいる。
社会派活動(デモ)を行い、医者として社会に一石を投じようとしてるものがいたり、(結局、捕まっているけど。まぁ言うなれば左翼活動者だったしね。)
主役である荻野は、その南田の言動を自分の考え方に重ねてみたりと、心情の描写が深い。
あえて8ミリを使って、手話を交えて表現しているところなんかは、面白い手法だなぁと。
思想や目標の海に彷徨っているのが映像から伝わってくる。



3つ目、覚せい剤にも軽く触れている 。
覚せい剤やって勝手にバイクで事故った人間に、多くの貴重な医師を引っ張り出して・・・。
いや、憤ることはもっともなんだけど、医師のあり方の問題として、
助けられる命は、しっかり助けるという考え方の人もいるだろうから、
ここでも意見はぶつかるんだろうね。


医療従事者はどの時代も、常に隣に死が座っているんだ。
そこに気づいた時に、医師になる覚悟が問われるんだろうね。
医療従事者及び、患者の死への対峙の仕方はこの35年でだいぶ変わっているのかな。本人へ告知するかしないかっていう点一つとっても、この当時はタブーであったであろうし。

医大に入り、夢を持って勉学に励んだ結果、葛藤に苛まれながら、
結果、集合写真の映らない選択(医師に成る選択への葛藤)をする一連の流れが1カットで表現されているシーンは面白い。

みどりに関しては、葛藤の結果自殺をしてしまうという最悪な結末であるが、
それもまた医師という難しい職業を志したが故のことなんだろう。
この事実は、終盤に静止画と共にテロップでの説明がなされるが、インパクトが強すぎて、しばらく思考が停止した。

そして、荻野のパートナーのじゅんこが通っていた産婦人科がモグリだったというのも衝撃。伏線にみどりが、ブラックジャックを読んでるシーンが出てくるところもまたなんとも言えないセンス。
しかし、上記が故に荻野は精神科の先生ではなく「患者」になってしまった点、
なんともまぁ皮肉…。


人の命を扱うということの難しさを、医師の卵の学びや葛藤、争いなどの中から作品化したこの映画は心に深く突き刺さる何かを私に残したことは間違いない。
「面白い」という言葉が似合わない映画かもしれないが、「好き」な映画の一つになったことは確かである。


見終わったあとに知ったのだが、監督の大森一樹は実際に医大生であったということで、
この映画にリアリズムを埋め込むことができたんだなぁと納得。

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モノや文化について。
・当時のフェアレディZはやはりかっこよかったなぁ…
・街並みは意外とこの35年で変わっていないんだなぁ
・EMIがビートルズの儲けによって医療機器に投資をしていたとか、全く知らなかった
・みんなタバコ吸いすぎ(笑 そういう時代なんだね
・精神分裂病って言葉も今では統合失調症と言い換えられているよね。言葉狩り的な背景があるのかね?詳しくないからわからないけど。
・ブラックジャック読んでる(笑
・音楽を担当したダウンタウンブギウギバンドの曲がよい。ギターの鳴きが心情を上手く表している

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キャストについて。
みんな若すぎて、一部以外誰が誰だかわからないってのが最初の印象。
表情でやっとわかっていったかな。
しかし、みんなその後大成している豪華な面々。
手塚治虫まで出てるんだよ?


うん、もう一度深く考え持って見直したい映画だな。

以上。



************** 次回 2015年10月第4週 お題作品 ***************************

   作品タイトル: 「ホットショット」(1991年)
   監督:Jim Abrahams  
   主演:Charlie Sheen

  さて、(意外と)頭を使う映画が多かったので、もっと馬鹿になれる映画を。
  この映画、本当に「バカ」。いや、見てもらえればわかる。
  説明なぞいらんのじゃ。


2015年10月1日木曜日